令和2年7月のひとこと:サルコペニア・フレイル
みなさんこんにちは!
本格的な夏がやってきました。
今年は特にコロナ対策でマスクを着用していることにより、
例年以上に熱中症の危険が高まるため、
水分摂取や適度にマスクを外して休憩を取るなど予防に努めましょう。
さて今月は、最近注目されているサルコペニア、フレイルについてご説明したいと思います。
みなさんは、サルコペニアやフレイルという言葉を聞いたことがありますか?
サルコペニアはギリシャ語の「SARX(筋肉)」、「PENIA(喪失)」を組み合わせた言葉で、
加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下を意味します。
一方フレイルは、英語の「FRAILTY(虚弱・老衰)」の意味をさし、
高齢化に伴う身体的、精神神経的、社会機能低下を含む幅広い概念で、
健康状態と要介護状態の中間状態のことを言います。
わかりやすく言うと、サルコペニアが加齢で痩せて筋肉が減った状態、
フレイルは体力が落ちて寝たきりになる一歩手前の状態のことで、
サルコペニアはフレイルを構成する一要素です。
65歳以上の日本人のサルコペニアは1割ですが、
糖尿病患者さんのみを対象とすると全体の
2割であり、発生頻度は倍になります。
ではなぜ糖尿病患者さんはサルコペニアやフレイルを発症しやすいのでしょうか?
最近の研究では、運動や栄養の問題だけでなく、糖尿病や肥満患者さんで見られる高血糖や
高インスリン状態(インスリン抵抗性がある状態)そのものが筋肉を減少させるのではないかと
言われています。
では、どうすればサルコペニアやフレイルにならずに元気な状態でいられる健康寿命を延ばす
ことが出来るのでしょうか。
その方法のひとつとして、運動療法があります。
運動療法というと、散歩や水泳などの有酸素運動が一般的に勧められています。
しかし、有酸素運動のみでは血糖値は改善しますが、筋肉量を増やすことはできません。
筋肉量を落とさないためには炭水化物やたんぱく質、脂質など、個々に決められた
適切な食事量を摂取しながら、レジスタンス運動(筋肉に負荷をかけた運動、無酸素運動、
いわゆる筋肉トレーニングと有酸素運動を組み合わせる事で、体の筋肉量が増え、
さらに糖の身体への取り込みにより、
血糖値改善の効果や中性脂肪減少によるインスリン抵抗性の改善が期待できます。
糖尿病の治療のひとつである運動療法には体重減少の他にこのような効果があるため、
普段運動をされていない方はどのような運動でもよいので少しずつ始めていただき、
普段有酸素運動のみをされている方はぜひレジスタンス運動と組み合わせて実施してみて
下さい。
※運動療法の内容に関して疑問がある方、運動療法を医師に禁止されている方などは
当院スタッフまでお問い合わせ下さい。
本格的な夏がやってきました。
今年は特にコロナ対策でマスクを着用していることにより、
例年以上に熱中症の危険が高まるため、
水分摂取や適度にマスクを外して休憩を取るなど予防に努めましょう。
さて今月は、最近注目されているサルコペニア、フレイルについてご説明したいと思います。
みなさんは、サルコペニアやフレイルという言葉を聞いたことがありますか?
サルコペニアはギリシャ語の「SARX(筋肉)」、「PENIA(喪失)」を組み合わせた言葉で、
加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下を意味します。
一方フレイルは、英語の「FRAILTY(虚弱・老衰)」の意味をさし、
高齢化に伴う身体的、精神神経的、社会機能低下を含む幅広い概念で、
健康状態と要介護状態の中間状態のことを言います。
わかりやすく言うと、サルコペニアが加齢で痩せて筋肉が減った状態、
フレイルは体力が落ちて寝たきりになる一歩手前の状態のことで、
サルコペニアはフレイルを構成する一要素です。
65歳以上の日本人のサルコペニアは1割ですが、
糖尿病患者さんのみを対象とすると全体の
2割であり、発生頻度は倍になります。
ではなぜ糖尿病患者さんはサルコペニアやフレイルを発症しやすいのでしょうか?
最近の研究では、運動や栄養の問題だけでなく、糖尿病や肥満患者さんで見られる高血糖や
高インスリン状態(インスリン抵抗性がある状態)そのものが筋肉を減少させるのではないかと
言われています。
では、どうすればサルコペニアやフレイルにならずに元気な状態でいられる健康寿命を延ばす
ことが出来るのでしょうか。
その方法のひとつとして、運動療法があります。
運動療法というと、散歩や水泳などの有酸素運動が一般的に勧められています。
しかし、有酸素運動のみでは血糖値は改善しますが、筋肉量を増やすことはできません。
筋肉量を落とさないためには炭水化物やたんぱく質、脂質など、個々に決められた
適切な食事量を摂取しながら、レジスタンス運動(筋肉に負荷をかけた運動、無酸素運動、
いわゆる筋肉トレーニングと有酸素運動を組み合わせる事で、体の筋肉量が増え、
さらに糖の身体への取り込みにより、
血糖値改善の効果や中性脂肪減少によるインスリン抵抗性の改善が期待できます。
糖尿病の治療のひとつである運動療法には体重減少の他にこのような効果があるため、
普段運動をされていない方はどのような運動でもよいので少しずつ始めていただき、
普段有酸素運動のみをされている方はぜひレジスタンス運動と組み合わせて実施してみて
下さい。
※運動療法の内容に関して疑問がある方、運動療法を医師に禁止されている方などは
当院スタッフまでお問い合わせ下さい。