平成27年2月のひとこと:仮面高血圧と白衣高血圧
みなさんこんにちは。寒い日が続き、インフルエンザも猛威を振るっていますが体調は
いかがでしょうか。手洗い、うがい、マスクの着用を徹底し、感染しないよう気を付けて
ください。
さて今月は、仮面高血圧と白衣高血圧についてご説明します。
<仮面高血圧>
家庭にある血圧計で、家で血圧を測ったときは高かったにもかかわらず、病院の診察室で測ると、正常な値となっていることがあります。
このように、「診察室で測る血圧は正常なのに家庭で測る血圧が高く、診察室での測定だけでは高血圧であると分からない状態」を、仮面をかぶったように本当の姿がかくされていることから、
仮面高血圧と呼びます。血圧が一見正常な一般の方の10~15%にみられるといわれ、この仮面高血圧の方は長年の間に心臓、動脈、腎臓などの臓器に障害が起き、将来的に脳卒中、心筋梗塞を起こす危険性が正常血圧や白衣高血圧の方に比べて有意に高いことがわかっています。仮面高血圧の方の場合、家庭で血圧を測定しなければ分からないため、家庭血圧の測定がより重要となります。
また仮面高血圧で特に危険度が高い方は、①血圧の薬を服用している②喫煙③アルコール多飲
④精神的ストレスが多い⑤肥満、メタボリック症候群、糖尿病などを持っている方ですので、
これらに該当する方は特に注意が必要です。
<白衣高血圧>
白衣高血圧は病院内で測定した血圧が高値であっても、病院以外での血圧は正常値になる事をいいます。血圧は1日のうちに大きく変動します。医師や看護師の前で緊張した、走ってきた、疲れている、飲酒、喫煙、食事、会話、運動、入浴などで20~30mmHg上下する事も珍しくありません。しかし大切なのは完全に正常な方であれば、どんな状況であろうと正常値から大きく外れることはないという事です。
白衣高血圧の方は、慢性的に血圧が高い方や仮面高血圧の方に比べれば心血管系の障害などのリスクは軽度です。しかし、強いストレスを受けている方や一部の白衣高血圧の方ではリスクが高い場合があるので注意が必要です。
白衣高血圧も仮面高血圧も治療が必要かどうかはある程度の期間を観察して判断されます。
気になる方は医師に相談してみましょう。
関連記事